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Design by Key Architects

パッシブハウスの特徴(メリット)

省エネ性
窓や床・外壁・屋根の断熱性、気密性を極力高め、冬場は窓からの太陽熱の取得、内部発熱(人体、家電、調理、給湯)と換気からの熱回収、夏場はきちんとした日射遮蔽をすることにより省エネルギーで快適な室内環境を保ちます。その結果光熱費を最小にすることができます。

快適性
上記により室内は均一な適温に保たれるため、冬場のヒートショックや夏場の熱中症などから解放されます。熱の移動が少ないので温風や冷風による不快さから解放されます。

以上の基本性能は主に建物の性能ですから建物が解体されるまで保持されることになります。

パッシブハウスとは何か

環境先進国ドイツにあるパッシブハウス研究所が1991年に考案し、2011年までにEU圏のすべての新築建物に義務化された省エネルギー基準のスタンダードです。この手法は特定の材料や工法を指定するものではなく、誰にでも開かれているデザインコンセプトです。
語源は従来の暖房(ヨーロピアンにとってのセントラルヒーティング=アクティブ設備)を使用せず換気風量の温度調節だけで快適な室内環境をつくれる省エネルギーレベルの建築という意味です。
パッシブハウスは太陽エネルギーのパッシブ利用とは異なる定義ですが、エネルギー性能の高い建築の手法を突き詰めていくと、太陽エネルギーを有効に利用するという共通点はあります。

パッシブハウスの要点

1. 断熱
日本の多くのパッシブハウスはU値0.25w/㎡k以下の断熱性能があります。(U値とは熱貫流率の事です。熱貫流率は単位時間当り外壁の内外空気温度1度差で1㎡を通過する熱量です。)これは建物の床、外壁、屋根に共通の性能です。

2. 気密
建物の隙間を少なくして出入りする空気(熱エネルギー)を減らします。
また余計な空気の動きを抑えて室内の空気循環をスムーズ(計画通りの流れ)にします。
日本ではC値(相当隙間面積の事です。隙間面積を延べ床面積で割った数値 ㎠/㎡)での評価が一般的ですが、パッシブハウスでは漏気回数(50パスカルの加圧と減圧試験で0.6回/h以下で評価します。

3. 熱橋(ねっきょう)
ヒートブリッジ、サマールブリッジとも呼ばれます。建物のすべてのコーナー、異部材の接続部及び貫通部は他の部分(床外壁屋根)よりも熱抵抗が少なく、熱の通り道が出来易くなります。熱伝導が最小になるように計画し、丁寧に施工することが求められます。
パッシブハウスでは一般的に小さなロスが全体に大きな影響を与えますので、窓取り付けの位置や方法にも注意を払います。

4. 窓
断熱された枠や、アルゴンまたはクリプトンガスが封入された低放射率の複層または三層ガラスで構成された窓が必要です。窓のU値が0.25w/㎡k以下の断熱性能、日射取得率0.5以上が望ましいレベルです。

5. 換気
良好な室内空気質と省エネルギーのために、効率の良い熱回収換気設備が重要です。
パッシブハウスでは排気の持つ熱の75%以上が回収され新鮮空気に伝達されます。

パッシブハウスの基準

正式にパッシブハウスと認定されるためには認定基準をクリアし、パッシブハウス研究所から認定された資格者(日本の認定資格者;パッシブハウス・ジャパン森みわ氏)に申請して認定を受けなければなりません。
これらの基準の根拠を計算するにはPHPP(パッシブハウス・プランニングパッケージ)というエクセルソフトを用いてエネルギーの収支計算を行います。
その結果として以下の基準値を満たしている必要があります。
・暖冷房のためのエネルギー基準;冷房暖房の年間需要が15kwh/㎡以下 もしくはピーク負荷が10 w/㎡以下
・再生可能一次エネルギー需要;家庭用途に使用される総エネルギー(家電も含めた冷・暖除湿・給湯・換気・照明)が60 kwh/㎡以下
・気密性(漏気回数)の基準;工事中及び竣工後の気密測定(50パスカルの加圧及び減圧の両方)により漏気回数が0.6回/h (C値換算で0.2㎠/㎡)以下

パッシブハウスは基準レベルが高いため、どんな条件の敷地・形でも認定を取得できるというわけではありません。また、認定を取得できないからといって必ずしも快適でないという訳ではありません。基準値に近づくことによってパッシブハウスが目指す省エネ性、快適性に確実に近づくことができます。

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